あの時は号泣しました。人生はじめてでしたから、こないだまで応援してくれてたように思ったのに、突然「あなたよりもいい人材がみつかった」だなんて。
というか、最初は意味がわからなかったんですよね。何をいってるの?って。
たしか明日から正規雇用という日だった、、
あの日から心が強くなりました、雇われてる気持ちだけじゃダメだ!!
でも世の中の看護師さんにももっと強くなってもらいたい。対等に主張できるナースじゃなくちゃ、看護師の地位も給料もあがりません。
心で自立し立つことが大事。そう思って今回は、苦い思いを胸に「辞めさせられて自主退職」体験談を通して、突然のクビにも負けないチカラを発信したいと思います。
Contents
【体験談】看護師 試用期間 えっクビなの?
どんなに清々しく、どんなに緊張して仕事にのぞんだか察していただけますか!
雇ってもらって、仕事できるだけで幸せ、かんばろう。
ブランクも小さな子供がいることも承知、前向きな姿勢をかってくれての採用、そう思っていました。ほぼ1か月クリニックでの新しい仕事を覚えるのに必死の毎日。
18年ぶりの復帰、たどたどしさはあったかもしれません・・ ですが目立つミスなどひとつもありませんでした。
もうすぐ正規雇用だな、と思っていたある日、院長室に呼ばれたのです。「どう、慣れた?」会話は、そんな柔らかい言葉から始まったと思います。
私:(あっ、やっぱりこれからの話かな)
Dr:『実はあなたよりいい条件のひとがみつかってね、、、』「あなたは、この1か月をどう思う?」
私:(ん?あなたより、、どういう意味??)
『ブランクがあって習得が遅いかもしれませんが、ご指導いただき大分業務も身についています。いつもありがとうございます。』
Dr:『そうでしょ。自分でも感じる?やっぱりちょっと他の人と比べて遅いよね。こないだ面接した人は、バリバリの経験者でね、周りもすごいんだよ、、大学の・・・』(その先覚えていない)
私: (次の人面接、、そういうこと・・か、、)涙、、
Dr:『いや、あなたは本当に人間的に何も問題ないんだけどね。』、『でもそういう人が入ってきたら、あなたもやりにくいんじゃない?』。
『それでもここでやっていきたい?』
私: 今日で打ち切りたいんだと気づき目の前で号泣、もうショックで何もいえない。
『い、いえ、もうそういうことならわかりました、辞めます。』
Dr :(様子変わらず)
『働いた分の給料はもちろん払うから』、
『じゃあ、ここにサインして』。
これが、辞めさせられて、自ら退職した経緯です。とにかく、サインして白衣を脱ぎすてその日そのまま帰ったのです。
私のこの対応どう思われますか?
この時、ただ自分が不出来だと落ち込み涙しました。後になって冷静に考えたら、おかしなこといってた、変じゃない?と思う点がみえてきたのです。
- 新しい人の親戚が大学の○○とか、私のクビと関係あるの?
- 確かに「辞めます」といったけど、実際には辞めさせられた・・自主的な退職のサインっておかしくない?!
- 試用期間だから相手に選ぶ権利があると受け入れたけど、人として許される行為なの?
私ってバカみたい、雇用してくれたクリニックに感謝してがんばって、なのに簡単に扱われるただのコマだったんだんじゃない!!
いつの間にか辞めさせられて自主退職
「辞めます」といったのは私。でもあの状況で続けます!って言える?
もし言ったとしても、結局は何かの理由をつけて辞めてもらう方向にもっていく意向だったのではなかったのか、そう考えます。
というのもその後、スタッフの一人に連絡をとって
わかったこと・・
「面接した看護師さん、Drがやけに気に入ってた、お気に入りらしい」、結構好みがあるからと。
Drのお気に入り、そんな理由で看護師を簡単に辞めさせられるものなんでしょうか?!
私はDrのお気に入りのために、自ら退職しなくてはいけなかったのでしょうか?
知っておきたい、試用期間中の退職
とは言っても、今だから思うこと。
その時できたのは、ただ「受け入れて泣いた」だけです。
今回記事を書くにあたって、試用期間中の退職について調べようと思いました。
今、あの時の出来事についてわかった点も多く、私の体験での気づきを同じような経験、疑問や怒りを感じている方々へシェアできたらと思います。
試用期間中の解雇予告
試用期間だからといって、簡単に解雇はできません。長期雇用を前提とした試用期間なので、正当な理由がなければ解雇されないのです。
「なんとなく社風に合わない」「期待していたほどの能力ではなかった」といったものは、もちろん正当な理由にはなりません。
通知に関しては、通常の解雇と同様で30日前に予告するか、予告の代わりに30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払うかのいずれかが義務付けられています。
ただし、試用期間の開始から14日以内はこれらが必要ではないという特例があります。
予告の日数が30日に満たない場合には、その不足日数分の平均賃金を、解雇予告手当として、支払う必要があります。例えば、解雇日の10日前に予告した場合は、20日×平均賃金を支払う必要があります。(労働基準法第20条)。
自己都合退職と会社都合退職
自己都合の退職は、一身上の都合によるもの、会社都合は本人の意思に関係なく雇用者側の都合によるものです。
自己都合でのメリットは、理由が次の転職に支障がない、会社都合の場合は失業保険手当の点においてメリットがあります。
「試用期間中でも正当な理由が無ければ解雇できない」ということを認識している雇用者が、自らの退職を促すケースも多いのが事実。
このような「退職勧奨」とは、直接的には解雇の通達はしないものの、「仕事に向いていないよ」などと退職を促したりすることを言います。
まとめ
突然の解雇、「クビ」。
転職の多い看護師にとっては、そういう場面にでくわすことも多いと言えます。
ここで、試用期間中の不当な解雇に備えておさえておくことをまとめると、
- 試用期間でも雇用契約はされており、基本は正社員と変わりがない
- 不当な理由での解雇に対しては、不当解雇手当の支給が法的に記されている
- 退職を推奨して、退職を促されるケースがあることを知っておく
- 解雇の理由が不当なら、自分で交渉したり労働機関へ相談できる
「どのように受けとめて、どう対処するか」は、状況とその人の判断にもよるところ。
ですが上記のことを知り、不当な場面でも、感情で受けとめず客観的に状況を判断することができれば、納得いかないことも適切に処理できると思います。
心身のストレスを最小限に、次へと向かっていけるように、このような状況への心の備えがあると心強いですよね。
おわりに
Drも個人の診療機関では経営者。経営者の「視座の高さ」ってあると思います。
スタッフを雇って人の上に立つ人なのだから、見る視線や物事をとらえる目が、ふつう一般の人よりも、高い位置にあるはず。
ですが現状はどうですか?
尊敬できるDr、ここで働きたいと思えるような職場に出会ったことはありますか?
実際は、スタッフの仕事のやりがいや幸せを考える医療機関は少ないと思います。
だから雇われる意識がつよくては、いつまでたってもよい医療機関には出会えません。
自ら探して選ぶ、その意識が必要。
痛くて辛い経験「クビ」も、ほんとうに共感できる職場に出会うため、本物の医療機関を見る目を養うための、きっといい経験。それを強いチカラに変えて次へと向かいたいものです。
スタッフのことを考えない医療機関なんてこっちからお断り!、そんな自ら自立して立つナースが増えれば、患者さんも周りも元気になっていくんじゃないでしょうか。
チカラを合わせてそんな社会に向かっていけるといいですね。