やはり一番は、患者さんに危害を加えてはいけない、医療ミスは許されないことですよね。普段の処置や検査でも、患者さんの不安や苦痛を最小限にと常に気をかけないといけないナースの仕事。状態の不安定な患者さんの対応ではなおさらです。
患者さん第一とわかっているからこそ、ミスをおこした時に一瞬心をよぎる “隠したい気持ち”、”言い訳をさがそうとしている自分” ・・が醜く感じられて落ち込んでしまう、そんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか?
どうしてそんな気持ちになるんだろう?患者さんのことを第一に考えているはずなのに...申し訳なくて、看護師としても情けない気持ちを抱くこともあります。
抱いてしまう気持ちに罪はありません。そこをせめても苦しむだけだからです。ですが、「その気持ちがなぜおこるのか」を見つめてみることで、気持ちが楽になり、同じ状況下でも気持ちの処理の仕方が変わってくるのではないでしょうか。
今回はミスを隠そうとするときの心理について触れ、その対処法について考えてみたいと思います。
Contents
看護師 ミス隠したくなる自分に落ち込む どうしてなの?
患者さんの危害につながってしまうようなミス。そんなミスをしてしまった場合、どうしていいか分からず言い出せなくなってしまう。
大事に至らないまでも、ミスの経験のある人ならそうした場合の対処法はわかっています。
しかしそうでない場合は、どうなってしまうの?と事態が心に重くのしかかり、深刻な思いだけが強くなりがちです。
そんなとき、ミスを隠したくなる心の中は・・
《考えられる3つの心理》
何とかなるのではないか
ごまかせないか、仕方なかったといえないか。つまりなんとかなると楽観視することでその場から去ろうとする感情。
本当にささいなことであればその場で解決もつきますが、自分だけではどうにもならないレベルのミスに対して隠そうとするのは、仕事への甘さが由の危機意識のなさととらえるしかありません。
ミスがどのような結果を及ぼすかには頭が回らない、冷静さをかいている。その結果、自分ではどうにも手を付けられなくなることがあります。
頭が真っ白になってしまう。そのときの運まかせ的な行動は、冷静さを欠いてしまっているからです。
信用を失うのがこわい
「周りからどう思われるか、こわくなる」
周りからどう思われるか、どう評価されるか、自尊心が傷つくことへのおそれ。人は何かを得ることによりも、失うことによる喪失感を大きく抱きがちです。
何かを失うことは誰にとってもとても怖いことなのです。
痛みの方に敏感になり、自分を守る弱さ、失うことを避けようとする気持ち。自分にとって本当に大切なものを失ってしまうと思った時、判断を誤ってしまう場合があります。
報告するのがくるしい
「上司から怒られたくない」
仕事のミスを隠す心理として、「怒られる、責められることへの強い感情」というというのがあります。
原因やいう大事な部分を考えるより、ミスをおこしたときの処分や指導が先に頭をよぎり指導された後も「怒られた」という感情が引きずるようなケース。
「嫌な思いをするぐらいなら、何とかやり過ごせないものか」と、その場をしのぐ思いに終始してしまうのです。
怒られるのを避けるために隠しておきたいという気持ち。「発覚そのものをさけようとする気持ち」それは自分を守ろうとする自己防衛からくるものです。
ミスのまったくない人は存在しない
人間なら誰しもミスはしてしまうもの。”生命に関わる仕事、だからミスは絶対にあってはいけない” との責任を重く感じるのが看護師の仕事。ですが、「全くミスのない人というのは存在しない」という事実を心に留めておきましょう。
未熟さであったり、判断や行動に困難さを伴う場合、忙しすぎる状況。ちょっとした行き違いからも、ミスをおこす原因はどこにでも存在します。
だからこそミスを避ける。そのために、経験や熟練度を考慮した仕事の配置やサポートなど上司の判断があるでしょうし、ミスをおこしがちな状況や不安があれば、自ら周りの助けも得れるはずです。
一番の問題は、ミスをすること自体ではありません。
ミスは誰にでもおこりうるもの。大事なのはどのようにミスを防止し、おきてしまった時にどうやってカバーするかです。多くのミスにおいて、全く取り返しのつかないものというのはありません。職場でのしっかりした事故防止への取り組み体制、大きな事故や危害を未然に防ぐ対策が整っていれば、損失は最小限に抑えられるはずです。
ミスは背負うより どう処理しどう対策するか
責任感が大きすぎる人ほど、ささいなミスでも重大だと考えてしまう傾向があります。責任の重さを感じすぎる由、ミスをおこした時のマイナスから逃げてしまいたい感情が高まってしまう。
そういう場合では、ミスに対して「失敗に重きを感じる以上に、どう処理するかにかかっている」という意識をもつことが大事です。
それは、仕事のミスをおこしたことに重圧を感じることではなく、早い段階ミスを解決にまねく点に目を向けるということです。
責任の重さばかりに意識をおくのではなく、ミスのおきる本質を知る、ミスを繰り返さないのことに着目するといいのではないでしょうか。
本当に仕事のできる人は仕事でミスをしたとき、言い訳や隠すということをしないもの。むしろ仕事でミスした時は、迅速にミスの報告をすることが大事と心得ています。自分ではどうしようもならないミスだと思っていても、その段階で適切な対処をすれば解決に向かうものです。
おわりに
実際、ミスをおこしてしまった辛さよりも、”隠しごと” を心の中に持ち続けることの方が精神的負担がかかるものです。
ミスはないのが一番ですし、ミスしたいと思う人はいません。
しかしミスをした後に、いかに対処するかを学ぶという意味では「ミスすることは経験を通してその方法を得る」ということ。
ミスをおこしてしまった時の、「迅速に立ち向かうこと」へのフォーカスは、仕事上の責任だけでなく結果的には自分のためでもあるのです。
ミスを隠そうとするのは、未熟だから心に抱く保身のあらわれ。そう思えば、痛みを防ぐネガティブなことに敏感になるよりも、ミスを未然に防ぎ、適確に対応するための対策を得ることの方がはるかに大事とわかります。
そこからの学びがあれば、これからの看護師としての成長にきっと大きくつながっていくはずですよ。
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