「治験ナース」。
看護師から別の仕事を考えるとき、一番なじみのある仕事かもしれませんね。
病院やクリニックで、治験ナースが来院しチームでテキパキと動く姿を目にします。治験の人って、ほとんど看護師だったんだ・・、同じ看護師の仕事でも病気をみる看護とは全くアプローチの違う治験ナースの仕事。
実は病院以外でも、治験ナースのように活躍できる場はたくさん。あなたの働くフィールドを広げるだけで仕事のチャンスはいろんなところにありますよ。
看護師資格を活かして別の仕事がしたい！ そんなあなたへ
今回は、看護師の資格活かせる「治験ナースの仕事」を紹介しながら、資格活かしてあなたに合う働き方をみつける秘訣をお伝えしていきますね。
Contents
看護師から別の仕事へ 治験ナースって？
治験（薬の臨床試験）に関わるのが治験ナースの仕事。
製薬会社と医療機関の間に入って、治験(臨床試験）がスムーズに進行するように、責任医師や医療スタッフ、被験者を支援し調整役としての役割を担うのが、治験コーディネーターの役割です。
治験の際の注射や点滴といった医療行為は、病院勤務の看護師担当なので、治験ナースは、直接の医療行為を必要としません。看護技術より、コミュニケーション能力や事務処理能力が問われます。
病院での看護師とは全く違うアプローチでの仕事。その内容や特性をみてみましょう。
《仕事内容》
- 治験患者へのへ説明と精神的なサポート
- 治験データの事務処理
- 治験に関わる医療者間の調整、他
◆治験ナースその特性は？
いろいろな医療機関に出向き、多くの人との交流がある仕事。また、常に新しい情報に触れ、医学的知識も必要です。病気や看護についての知識があることで、説明の際も説得力が増し、患者さんの安心感も得られます。製薬会社、医師、患者との相互間の調整役としてのコミュニケーション力を通して、看護師の経験が活かされます。
◆こんな人におすすめ
これまでの臨床経験、培った知識を活かし企業で働きたい人／いろいろな所へ出向き話したり、人に何かを教えるのが得意な人／薬に関心があり、新薬の開発など新しい分野に積極的姿勢をもつ人
資格を活かしてあなたに合う職種をみつけるには、仕事の内容や働き方を知った上で、このような特性を持ち合わせるか？「向いている、興味・関心がよせられる」と感じるか？がポイントです。
資格活かして仕事したい！企業で仕事する
看護師の資格を活かせば、憧れのOLのような「デスクワーク中心の仕事」も可能。ここでは看護師資格でできる代表的な企業での仕事を紹介します。
《資格活かして企業で仕事する ３つの職場》
企業の医務室で仕事する
産業看護師とは企業などの医務室で働く看護師のことです。
社員の健康管理と健康相談などに応じます。病院ではないので、急変もなければ、通常は医療行為もありません。企業内でのデータ処理などデスクワークが中心になります。
命に関わることへの重圧や医療ミスの怖さに、続ける難しさを感じていた人にとって働きやすいといえるでしょう。
社員に相談をもちかけられることも多いので、大勢の人を対象にコミュニケーションをとることに興味を持て、人の心理や行動に関心ある人にやりがいを感じられる仕事です。
製薬会社で仕事する
上記にあげた治験ナースも製薬会社の所属する仕事です。治験コーディネーターの認定資格はありますが、仕事において必ずしも資格取得は必要ありません。
①治験施設支援機関（SMO)に就職をして医療機関に派遣されるコーディネーターと、②病院で看護師として所属するコーディネーターがいます。
製薬企業においては医師や薬剤師、獣医師などの募集が多いのですが、看護師としての医療経験は、カルテが読める、医療に関する知識があるということから製薬会社などでのニーズが高く優遇されます。
製薬会社から治験業務を受託して、治験業務を代行する機関がCRO／医薬品開発受託機関。製薬企業からCROへの治験業務委託は治験のグローバル推進化で、アウトソーシング化が年々増加しています。
治験モニタリング業務を取り仕きるのが、CRAと呼ばれる臨床開発モニター業務ですが、人材不足のため、近年看護師の雇用が拡大しています。CRAもまた医学的な知識が必要なため、看護師に適した仕事です。
医療機器メーカーで仕事する
医療機器メーカーで新開発された医療機器などの紹介説明に関わる看護師がフィールドナース。
他にもその役割の違いで「クリニカルスペシャリスト」などの名称で呼ばれています。
自社製品の医療機関に対する営業が主な活動。MRに同行して、病院・施設・学会・展示会などへ出向き医療機器の紹介・説明業務に携わります。医師や看護師などの医療者に対して、専門的な情報の提供を行う仕事です。
企業での仕事に代表されるような、看護師経験の活きる仕事のニーズは今、高まっています。医療に関連した企業には看護師の経験やスキルを優遇する仕事があります。
資格を活かして 合う仕事みつけるには？
別の仕事をする上でも、看護師の経験が活きる場面があります。 看護師として身についた観察力や傾聴スキルなどはどの職場でも役立つでしょう。他にもあなたのもつ特性があるはずです。
看護師の資格活かして、あなたに合う働き方みつけるには・・
看護師として仕事する中で得意だったことや、あなたの興味あるもの、関心の持てるものを振り返ってみてください。看護師もいろいろ。得意とする分野も違えば興味も違います。
あなたの持つ特色を看護師の経験にプラスして考えてみてください。ライフステージの中で、今あなたの優先するものをはっきりさせることも必要です。
例えば・・
→製薬会社での治験コーディネーターや臨床開発モニターの仕事など
私は新しい機械がや新しいものが好き。医療機器はすぐに試してみたくなる。細かい設定なども苦にならない。人に説明したりするのも得意。すきな英語を活かして新しい分野に挑戦したい。
→医療機器メーカーでのフィールドナースやクリニカルコーディネーター
私は人と話すのも好きかな。相談にのるの得意だし。デスクワークは全然苦にならない。データをまとめたり情報処理するのも好き！日勤・定時の仕事で育児と両立できる仕事が理想。
→企業の医務室や学校の保健室、コールセンター、での相談業務を伴う仕事
といった色々な働き方が見えてきます。日々変わりゆく医療や健康に関する情報を目にすることで看護師資格が活用できそうな場面がみえてきます。看護師の資格は絶対ではないけれど、あれば優遇される仕事はたくさんあるのです。
気になるのは、どうやって探すかです。
普段、自分から “どういう仕事があるかアンテナをたてて置く” のが一番大事。別の仕事での転職を考える場合は、合わせて民間の転職サイトの利用もおすすめします。
病院以外の看護師求人は非公開の場合が多いので、直接の情報が入る転職サイトへ登録しておくのがベストです。
おわりに
ライフステージに合わせて、仕事を転換できるのも看護師資格のよさ。
その選択に、病院といった診療機関だけではなく、企業での看護師の働き方もいれて考えると、より選択の幅が広がります。
病院を離れて、別の違った角度からの看護を知る発見やおもしろさもありますね。
転換していける看護師の仕事、資格を活かしながらあなたの望む方向へと変えていく働き方があってもいいと思います。
転職は人生を良い方向へ向けるためのもの。あなたの望む生き方につながるような、看護資格を活かした働き方がみつかるといいですね。
