生涯現役といわれる看護師だから、ずっと働くことはできるはず。
だけど一般の会社勤めの定年後と比べると、再就職して働くシニア世代の看護師は多くない。
長く働きたいと思う看護師は、定年後にどんな働き方を求めるの?具体的な定年後の働くケースに触れながら、定年後の再就職、その働き方を考えてみましょう。
ずっと働き続けたい
看護師の定年後の再就職は、「なれた職場で仕事をつづけたい」と嘱託職員で継続雇用を希望するケース、
あるいは、定年退職が60歳と早ければ、「正社員としてながく働きたい」と転職を考える看護師もいます。
定年後といえば ” 新しい職場にうつるのも色々大変” と考えがちですが、今は定年後に働く人も増えていて、健康でさえいれば70代、80代と生涯現役で働ける時代ですよね。
その中でも、専門職の看護師なら「定年だからできる働き方」でより充実した定年後を過ごせるはず。
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定年後のシニアで世代での再就職は、無理なく安定した生活を送るため、そしてもうひとつは、社会とつながるため。
キャリアを積んだ定年後、新しい職場でやっていく難しさもある中で、社会に役立ちたいという気持ちから、独立して起業する働き方を選ぶ働き方もあります。
看護師定年後の再就職と仕事
これまでの経験のある定年後の再就職。年齢的な体力の低下などを考えた、無理のない働き方がしたいもの。
これからを考えながら、経験が役に立つ仕事をしたいと考えますよね。
定年後の再就職
《 定年後の再就職に求めるもの 》
- 体力的負担が少ない
- 職場でのいい人間関係
- 経験が社会に役に立つ仕事
定年後の再就職は「体力」を考えての無理のない仕事や「人間関係」の良好さを求めるのが主。
定年となるとなる60代では、体力の低下を感じ「ゆとりをもって働くことのできる職場」への転職を希望するケースが多いですね。
一方で、キャリアを活かしたり、やりがいを考えての働き方。
転職して管理職となったり、経験を活かしての人材育成や指導、キャリアと経験を活かしての起業という、チャレンジしていくケースがあります。
生活を第一に考え、体力的負担なくゆとりをもって働けるかを重視する一方、「これまでの経験を社会の中で役だてていきたい」と思うのが、定年後に望む働き方なのです。
定年後の再就職事情
体力的な理由から負担の少ない病院以外の施設で働きたいと思うことの多い定年後の再就職。
ところが、年齢的な不安から再就職をあきらめる人も多いのですよね。
本当はその必要はない。最近の雇用統計をみてみると、60代で働く看護師の割合は以前より増えているからです。
その理由は・・
- 60代で働く意欲のある人が増えた
- 看護師不足で定年の60歳以降も雇用が増えた
- 療養型・介護施設の増加や在宅看護の需要UP
- 60代以上の雇用で活躍できる職場が増えている
という点があげられます。
長期療養型の病院や介護・福祉施設などでは、体力的ゆとりを持って働ける。需要の伸びる在宅ケアも、より患者さんに近い位置での看護ができ、経験の活かせる仕事です。
つまり「定年後からの働き方に合う職場」が増えていることなりますね。
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定年を65歳とし、定年後の「再雇用制度」もある今。60代で再就職しても、働く意欲があれば70歳近くになっても働ける環境はあります。
ですが、定年後の再就職に年齢とは別の負担を感じる看護師も多いのです。
再就職の雇用が多いのは、療養型やデイサービスといった分野。
長くキャリアを持ち病院で働いてきた看護師が、新たな職場での一から教わるというのは、大変と感じる部分も大きいから。
また、60歳以上での看護師求人を、公共機関のハローワークといった限られた情報から探すのには難しさもあります。
サポート力ある民間機関の転職サービスを利用すると、様々な情報から定年後の求人先をとりあげてくれ、職場の詳しい情報も得られるので再就職のチャンスが広がりますよ。
シニア看護師の働き方
定年後も看護師としてずっと働きたい、そんな意欲のある看護師さんはどういう働き方しているの・・?
<定年後の働き方の色いろ>
看護師C子さんのケース
定年まで看護部長として病院勤務。退職後医療コンサルティング会社へ入社。病院での精通した経験、管理職としてのノウハウを活かし、病院経営のコンサルをアシストまた、教育関連の講演等を行う。
定年前の職場で管理職であればで、定年後に講演活動などを行ったり、教育担当などで活躍するという働き方があります。そういった再就職は、長年勤務での人脈によるところが大きいですね。
転職D子さんのケース
長年の看護師としての経験の末、独立。個人で人材紹介会社を設立する。在宅医療における人材確保を主な目的として、医療から福祉まで幅広くそのニーズに対応。ヘルスデザインを掲げ、人材紹介を通して包括的な地域医療の形成を目指す。
看護師の実際の実務経験や、管理職としての経営の視点も合わせて「訪問看護ステーション」を設立したり、定年後だからできる自身のとりくみたい看護を目指して、積極的に地域社会にでていく働き方が見られます。
看護師E子さんのケース
50代まで病院勤務。同じ病院で勤務するDrの開業で、看護師長にと声をかけられ、病院を退職しクリニックの看護師長として勤務する。病院での経験を活かしながら、Drの目指す地域医療の片腕となってクリニックの運営をアシスト。クリニックの中心となり、スタッフの指導やフォローにあたる。
定年後の給与や退職金を考えると、60歳過ぎても長く同じ職場で働きたいと考えるもの。ですが、定年後をみこして「病院ではできない働き方」を選択する働き方もありますね。
看護師は人との関わりが深く、信頼を築いていける仕事。長く働いたことでできる信頼関係関係や人脈が、定年後の働き方へとつながっていくことがあるでしょう。
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退職後に訪問看護・デイサービスなど医療福祉施設を開業するケース。独立すれば、定年に関係なく働き続けることができ、経営が軌道に乗ることで安定した収入を得ることができます。
また定年後、育児も終わり看護のキャリアのある看護師が「子育てのための育児サロン」や高齢者のためのコミュニティーサロンを開いたりと・・
地域での関わりを通して、積極的に社会に出ていく取り組みもみられます。
長年勤務での看護経験と、ずっと働きたいと “定年後のこれから” への意欲のある看護師だからこそできる働き方ですね。
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そういえば以前の勤務先で、育児しながら看護学校を卒業したスタッフから耳にした話、
「看護学校で主席で卒業した人は60代、成績はトップ、首席での卒業だった」とか。
卒業後の就職もきまったそう。働く意欲があればスタートに年齢はないと感じさせられます。
ずっと働いていたいと思うシニア世代の看護師は、経験を活かす働き方で社会に役立つ働き方ができ、これからに挑戦もしていける。
看護への長い関わりで、寄り添いながら看護のできる大らかさをもつのも、若い世代にはない強みではないでしょうか。
仕事したいという熱意があるかぎり、働く場所は色んな場所にある。看護はどこにでも必要とされる貢献性の高い仕事だからです。
もともと世の中の役にたちたいと貢献心の高い人の多い看護の職。
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シニア世代の看護師は、それまでの経験から、定年後だからこそ社会に貢献度高い働き方のできるときなのですよね。
おわりに
働きたいと望む意欲こそ働きつづける秘訣。
それまで病院ではかなわなかった “地域医療へ関わっていきたい”と、同世代で退職した看護師が一緒になって「訪問看護ステーション」を立ち上げたという話、
病院勤務ではできなかった、プライベートを最優先にするゆっくりした生活や、ゆとりある生活の中で、ボランティアに取り組む人もいます。
「ずっと働き続けたい」という気持ちも、定年後 “これから” への望みのひとつ。
定年後の時間を大切にして、あなたの望むこれからを大事に過ごしていけるといいですね。